宮地保育園

用途:保育園(定員 135人)
場所:熊本県阿蘇市
構造:木造 平屋
延べ床面積:951.66㎡
竣工:平成29年 7月
施工:株式会社 熊本紅屋+(株)シェルター

保育園の特長としては、既存敷地との繋がりのある配置計画を求められ、また、敷地周辺環境を考慮した建屋計画が求められた。敷地北側の既存敷地と新園舎園庭とが一体的に感じられるよう建屋をL型プランとし、建て主のご要望を取り入れながら、様々な保育活動が行えるフレキシブルな内部構成となっている。各保育室が連携して園児を見守れる工夫や、園児が自発的にトイレに行けるような明るく可愛らしいトイレ空間づくり、保護者が積極的に保育に参加する工夫などを盛り込んだ計画となっている。外観においては、阿蘇の景観や周辺環境との調和を意識し落ち着いた色合いとし、かつ、一目で保育園がわかるよう壁面にポイントカラーを配している。
南側隣地は段上がりで高い建物も存在することから、採光上不利となりがちであるが、建物形状を利用し、高窓を設け各保育室や中廊下にも明るい光が差し込み温かみのある空間となっている。
また、園庭に建物の影や阿蘇山の冬場の吹き下ろしを防ぐ建物形状ともなっている。
構造計画では、温かみのある保育空間づくりや、コストの問題をクリアすべく、木造を採用した。
大空間となる遊戯室も備えることから、大断面集成材金物工法と在来工法のハイブリッド工法とし、コスト調整を行う先進的な構造計画となっている。熊本では、金物工法を採用した木造建築の実例が少なく、技術的な問題が発生しないよう、(株)シェルターの協力の下工事が行われた。